英国に「21世紀のボッケモン」を見た!

2009年05月13日


「竹ノ内博明」というピアニストをご存知だろうか?
鹿児島市出身の31歳。鶴丸高校から日本の音楽大学をめざしてレッスンに励んでいたが、センター試験直前、英国王立音楽大学受験の話が舞い込み、みごと合格。以来、イギリスを拠点に欧米や日本で活動している。
その竹ノ内さんが5月8日、鹿児島市でバッハと現代の音楽を組み合わせた異色のリサイタルを開いた。
選曲のセンスには定評のある竹ノ内さん、このプログラムは5月12日に東京・オペラシティで開催のリサイタル「B→C(ビートゥーシー)=バッハからコンテンポラリーへ」と同じもの。
「B→C」は10年以上続く若手演奏家のリサイタルで年間10人しか出演できない。選考に残るだけでも大変だ。
竹ノ内さんは高校を出てすぐイギリスに渡ったので日本の音楽事務所との人脈があまりない。この「B→C」をきっかけに国内での活動の幅を広げてほしいと思う。



スーパーニュースでは8日のリサイタルを取材した。この日はインタビューの時間がとれず、翌日、鹿児島市内の実家にお邪魔した。
前日のスーツ姿と一転、TシャツにGパン、それになんと下駄ばきで出迎えてくれた竹ノ内さん。ロンドンでは下駄など無縁だろう。
リビングに鎮座するグランドピアノでの演奏、そしてインタビューを収録した。
彼は「21世紀のボッケモン」だと感じた。
プロの演奏家の場合、世界的に権威あるコンクールで上位に入らないと、コンサートのオファーが来ないのが普通。彼も以前は数々のコンクールに挑戦したそうだが「自分には向かない」と判断するや、コンクールに頼らず、自ら演奏の場を求める作戦に出た。
仕事の中には「客船での演奏」もあるそうだ。
海外クルーズの船にはホールがあって演奏などのショーがある。あれだ。
ここでよく知られた名曲を演奏する仕事。先日はカリブ海からアマゾン川を上るツアーに乗船したそうだ。いろんなツアーがあるものだ。
夏にはレコーディングの予定があり、これがなんと、「英国・ロマン派の女流作曲家の埋もれた名曲を集める」というもの。
イギリスの作曲家で著名な人は非常に少ない。エルガーとか、ホルストとか、ヴォーン・ウイリアムスとか。しかし図書館で丹念に資料をあたると、19世紀の隠れた名曲がたくさんあるそうだ。
ここに目をつけた竹ノ内さん、おそらくほとんどが「世界初録音」になるであろうアルバムの製作にかかるというわけだ。140年前、薩摩から進取の意気を胸に渡英した留学生に通じるものがあると思った。
早ければ来年にはリリースされるというCD、日本には「僕が持ち込みます!」と笑顔で語る竹ノ内さん。今後も活動の拠点はイギリスらしいが、異国の地で奮闘する21世紀のボッケモンを、みんなで応援しようではないか。 


プロフィール
古井千佳夫
古井千佳夫
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ニュース、各種ナレーションなど
趣味
マニアックなCD収集(古い特撮のサントラなど)
性格
最初は人見知りだが機が熟すとなれなれしくなる
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